うさぎドロップ

 りんの可愛さや大吉のいい人ぶりは一話からたくさん堪能させて貰っていたが、本当に二人は愛おしい”親子”であるとの想いを新たにさせてくれる。
 何の計画もなくりんを家に招いた大吉であるが、それは布団や下着、服や靴に至るまで、何も用意がない事と同義であった。その為彼等は二人連れだって、ユニクロっぽい店に行き、取り敢えずの生活用品を買い込む。りんはしっかり者だけれども、服の買い方や何かまでは知る訳がない。戸惑いながらもぽいぽいと買い物籠に物を入れ、大きな荷物を持って帰る大吉とりんが、とても微笑ましい。
 しかし、そんな事だけでは済まないのが子育てである。大吉はばりばり働くサラリーマンで、明日は月曜日だ。りんを保育所に預けなくてはならない事を、大吉はすっかり失念していたのである。大吉はインターネットなんかを駆使して、緊急でも預かり保育をしてくれるところを探し、翌朝りんを送り届ける。
 それがまあ一苦労で、満員電車の中、出勤時間を気にしながら、りんをようやく保育所まで送るのだが、りんの顔がとても哀しそうに歪む。それもそうである。りんは父親の死によって置いてけぼりになって、一人ぼっちになってしまった子だ。また置いて行かれるのではないか、という気持ちが、普通の保育所に預けられる子供達よりずっと真摯なのだ。大吉は絶対に迎えに来ると強く約束しながら、幼いりんの気持ちに想いを馳せる。絶対この子を再び一人ぼっちにさせてはいけない、と想いを新たにする。
 予想通り、保育所への迎えは大吉が一番最後になってしまった。保育所に走って現れた大吉を見て、一度は大喜びするけれども、すぐにふくれっ面になったりんの表情に、全てが表れている、素晴らしい演出である。彼等の一生懸命さに、また涙を禁じ得なかった。

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