ミチコとハッチン
今回のメインはミチコを追う警官・アツコである。アツコは孤児院時代からのミチコの知り合いだが、いつもミチコに酷い目に遭わされてきた、というような気持ちでいる。事実、万引きの片棒を担がされた時、アツコ自身は気が進まないまま、口車に乗せられてやったのに、店主に殴られるのはアツコで、その横を颯爽とすり抜けてゆくのがミチコであった、というような回想も挿入される。アツコは警官となってミチコを追い、人生の逆転を狙っていたのだが、今はミチコの身柄欲しさに金でサトシと取引をした所為で、ド田舎に左遷になっていた。ろくな仕事もない町なのだが、そこでアツコはミチコを想わせる少女・ヴァネッサと出逢う。
ヴァネッサは町の外れにある遺跡を狙いに来た盗人の娘であり、今はその父も亡くなり、一人アルバイトをして暮らしている。ヴァネッサには恋人がいたが、プロのミュージシャンになると言って出て行った。プロになどなれる訳がないと解っていたヴァネッサは、きっとこの町から出て、恋人を探しに行きたいと想っている。そして、こんな町で終わりたくないと想っているであろうアツコに、遺跡に眠ると言われる壺を探しに行こうと誘われる。まるでヒロシを追うミチコのように、ヴァネッサは恋人を追い掛ける為の金が欲しかったのだ。
アツコはヴァネッサに付き合い、死ぬような想いをして遺跡を散策したが、結局壺は見付からなかった。ミチコにそっくりのヴァネッサは、金はないがこのまま恋人を探しに出ると告げる。ミチコと同じで、本当に勝手だ。アツコを巻き込んでひどいめに遭わせても、からっとしている。身勝手で単純過ぎて、意味が解らない。しかし、アツコは彼女に触発され、警官という職を放棄してミチコを再び追う事を決める。
アツコにとってのミチコの存在の意味を深くする、重要なエピソードだ。ミチコはアツコの永遠のライバルであり、腐れ縁であり、そしてアツコの人生のエンジンなのだ。